福岡高等裁判所 昭和31年(う)895号・昭31年(う)894号 判決
原判決は、その主文末項において、押収にかゝる玄米の換価代金三万三千六百五十円を没収する旨判示しているのであるが、本件記録によれば、右換価代金は前記三万三千六百五十円でなく二万三千六百五十円であつて、これを誤記したものであることは、まことに所論のとおりである。
そして斯様な場合原判決は被告人から別箇独立に金三万三千六百五十円を没収する旨を判示したものでなく、前記押収してある換価代金そのものを没収する旨を判示したものであつて、右換価代金以上のものを没収する趣旨でないことは容易に窺知することができるから、本裁判確定後これが執行せらるゝに際しても被告人に対し不当に没収刑を科せられる虞れはないものといわねばならない。従つて右没収金額の表示について過誤のあることは、判決破棄の理由とはならない。論旨は採用できない。
(裁判長裁判官 高原太郎 裁判官 鈴木進 裁判官 厚地政信)